必ず遺言書を作成しておくべきケース9選|トラブルを防ぐための判断ポイントを解説

遺言書は、すべての方にとって必須というわけではありません。

しかし、家族関係や財産の状況によっては、遺言書を作成していないことで相続手続きが複雑になったり、相続人同士のトラブルにつながったりすることがあります。

このような問題を避けるためには、あらかじめ遺言書などの生前対策を行い、相続について備えておくことが重要です。


相続人同士の関係が良好とはいえない場合

相続人同士の関係が良好とはいえない場合には、遺言書を作成しておくことが重要です。

関係性が良好でない場合、遺産分割をめぐる対立が深刻化しやすく、手続きが長期化することがあります。

特に、長年疎遠であった場合や過去に金銭的なトラブルがある場合には、冷静な話し合いが難しくなり、紛争に発展する可能性もあります。

遺言書によってあらかじめ分け方を明確にしておくことで、相続人同士の負担を軽減し、トラブルの発生を防ぐことができます。


子どもがいない夫婦の場合

子どもがいない夫婦の場合、被相続人の配偶者だけでなく、兄弟姉妹なども相続人になる可能性があります。

そのため、配偶者は普段あまり関わりのない相続人とも遺産分割について協議を行う必要があり、さらに相続人の人数が多い場合や遠方に居住している場合には調整に時間と手間がかかり、大きな負担となることがあります。

遺言書を作成しておくことで、こうした協議を行うことなく、配偶者が円滑に財産を取得できるようになります。


前婚の子どもがいる場合

前婚の子どもと現在の配偶者がいる場合には、相続関係が複雑になります。

特に、相続人同士に面識がない場合や関係が希薄な場合には、遺産分割協議が円滑に進まないことがあります。

また、過去の経緯や家族関係の事情が影響し、感情的な対立が生じることで協議が長期化し、紛争に発展する可能性もあります。

遺言書によってあらかじめ遺産の分け方を明確にしておくことで、相続手続きを円滑に進めることが可能になります。


不動産が主な財産となっている場合

財産の中に不動産が多く含まれている場合にも、遺言書の作成が重要となります。

不動産はそもそも分割が難しく、かといって安易に共有名義にしてしまうと、売却や建て替えの際には共有者全員の同意が必要となるため、相続人の一人でも反対した場合には手続きを進めることができません。また、利用目的の違いなどから意見が対立し、不動産を有効に活用できない状態が続くこともあります。

さらに、共有状態が長期化すると管理や費用負担をめぐるトラブルが生じる可能性もあります。

遺言書によって取得者をあらかじめ定めておくことで、相続後の混乱を防ぎ、円滑に手続きを進めることができます。


特定の人に多く財産を残したい場合

特定の人に多く財産を残したい場合にも、遺言書の作成が重要です。

例えば、同居して介護をしてくれている子どもがいる場合など、個別の事情に応じた分配を希望するケースがあります。

しかし、遺言書がない場合には遺産分割協議によって分け方を決めることになるため、必ずしも被相続人の意向が反映されるとは限りません。

遺言書を作成しておくことで、こうした事情を踏まえた財産配分を実現し、自分の意思に沿った形で承継させることが可能になります。


相続人以外の人に財産を渡したい場合

相続人以外の人に財産を渡したい場合にも、遺言書の作成が重要です。

内縁の配偶者や、長年にわたり介護をしてきた者など、法律上の相続人に該当しない者に財産を承継させたいと考えるケースがあります。

しかし、これらの者は相続人ではないため、遺言書が存在しない場合には原則として財産を取得することができません。

また、遺言書がない場合には、当該者と相続人との間で認識の相違が生じ、トラブルに発展するおそれもあります。

遺言書によって遺贈の意思を明確にしておくことで、被相続人の意思を適切に実現することができます。


事業承継が必要な場合

事業承継が必要な場合にも、遺言書の作成が重要です。

自営業や会社経営を行っている場合、事業用資産や株式の承継方法によっては、その後の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

特に、適切に承継が行われない場合には、経営基盤が不安定となり、事業の継続に支障が生じるおそれがあります。また、遺言書がない場合には遺産分割協議が必要となり、円滑な承継が妨げられる可能性もあります。

遺言書によって後継者を明確にし、必要な財産を承継させることで、安定した事業承継を実現することができます。


相続人の中に判断能力が不足している人がいる場合

相続人の中に判断能力が不足している人がいる場合にも、遺言書の作成が重要です。

未成年者がいる場合には特別代理人の選任が必要となり、認知症の方がいる場合には法定後見制度の利用が必要となるなど、家庭裁判所の関与を伴う手続きが必要になります。

そのため、相続手続きに時間や手間がかかり、全体として長期化する可能性があります。

遺言書を作成しておくことで、こうした手続きを回避し、円滑に相続を進めることが可能となります。


おひとり様の場合

配偶者や子どもがいない場合にも、遺言書の作成が重要です。

遺言書がない場合には、疎遠な親族が相続人となることがあり、自分の意思とは異なる形で財産が承継される可能性があります。また、相続人が存在しない場合には、最終的に財産が国庫に帰属することとなります。

さらに、特定の個人や団体に財産を残したい場合であっても、遺言書がなければその意思を実現することはできません。

遺言書を作成しておくことで、遺贈によって自分の意思を明確に反映させることができます。


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遺言書については、「自分は作成すべきか」「どのような内容にすればよいのか」といった点で悩まれる方も多くいらっしゃいます。
ご家族の状況や財産の内容によって適切な進め方は異なるため、個別の事情に応じた検討が重要になります。

行政書士香川法務事務所では、遺言書の作成をはじめとした相続や生前対策に関するご相談を承っており、ご家族の状況やご意向を踏まえながら、必要に応じて司法書士や税理士などの専門家とも連携し、総合的なサポートをご提供しています。

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投稿者プロフィール

香川 貴俊
香川 貴俊行政書士香川法務事務所 代表
行政書士(東京都行政書士会荒川支部理事、荒川区役所区民相談員)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビリヤードプロ