改製原戸籍とは?|戸籍謄本・除籍謄本との違いと相続で必要になる理由を解説
相続手続を進める際、市区町村や金融機関から改製原戸籍の提出を求められることがあります。
改製原戸籍には、現在の戸籍へ書き写されていない過去の家族関係が記載されているため、亡くなった方の法定相続人を確定するうえで欠かせない書類です。
改製原戸籍とは
改製原戸籍とは、法令の改正や戸籍のコンピュータ化によって新しい様式へ作り替えられる前の戸籍のことをいいます。
戸籍の様式を変更する際には、新しい戸籍が作られ、それまで使用していた戸籍は閉鎖されますが、閉鎖された戸籍も過去の身分関係を証明する記録として保存されます。
その内容を証明する書類のことを「改製原戸籍謄本」あるいは「改製原戸籍抄本」といいます。
改製原戸籍の読み方
改製原戸籍は「かいせいげんこせき」と読みますが、市区町村の窓口や相続手続では、現在の戸籍と区別するために「かいせいはらこせき」または「はらこせき」と呼ばれることもあります。
戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違い
戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍は、いずれも戸籍に記録された身分関係を証明する書類ですが、戸籍が閉鎖された理由に違いがあります。
| 証明書の種類 | 戸籍の状態 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 (戸籍全部事項証明書) | 現在使用されている戸籍 | 現在の戸籍に記載されている全員の身分事項 |
| 除籍謄本 (除籍全部事項証明書) | 死亡、婚姻、転籍などによって全員が除籍され、閉鎖された戸籍 | 閉鎖されるまでに記録された全員の身分事項 |
| 改製原戸籍謄本 | 法令の改正やコンピュータ化によって作り替えられ、閉鎖された戸籍 | 改製されるまでに記録された全員の身分事項 |
戸籍に一人でも在籍していれば現在の戸籍として残りますが、全員が死亡や婚姻などによって除籍されると、その戸籍自体が除籍になります。
これに対し、改製原戸籍は、戸籍の様式が変更されたことによって閉鎖された戸籍です。
相続で改製原戸籍が必要になる理由
相続手続では、誰が法定相続人になるのかを確定するため、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍を収集し、婚姻歴、離婚歴、養子縁組、子の有無などを確認しなければなりません。
しかし、戸籍が改製される際には、改製時点で有効な身分事項を中心に新しい戸籍へ書き写すため、改製前に婚姻などによって戸籍から除かれた人や、過去の身分事項の一部が現在の戸籍に記載されていない場合があります。
そのため、現在の戸籍謄本だけでは法定相続人を漏れなく確認できず、改製原戸籍までさかのぼって過去の記載を確認する必要があります。

出生から死亡までの戸籍は複数に分かれている
戸籍は、婚姻や転籍、改製などに伴って新しく作られるため、亡くなった方の出生から死亡までの記録は、複数の戸籍に分かれているのが一般的です。
そのため、死亡時の戸籍から従前の本籍地や改製前の戸籍を順番にたどり、戸籍のつながりが途切れていないことを確認する必要があります。
改製前に除籍された人は現在の戸籍に記載されない
たとえば、亡くなった方の子が戸籍の改製前に婚姻し、親の戸籍から除籍されていた場合、その子は改製後の戸籍には記載されません。
そのため、現在の戸籍だけではその子の存在を確認できず、法定相続人を漏れなく確定するには、改製原戸籍を取得して、改製前に除籍された人まで確認しなければなりません。
昭和改製原戸籍と平成改製原戸籍
相続手続で目にすることが多い改製原戸籍には、主に「昭和改製原戸籍」と「平成改製原戸籍」があります。
昭和改製原戸籍
昭和改製原戸籍は、戦後の戸籍制度の変更を受け、昭和32年の法務省令に基づいて新しい様式へ作り替えられる前の戸籍です。
改製前の戸籍は、戸主を中心に家族を記載する旧制度の様式で作られており、現在の戸籍とは記載方法や用語が大きく異なるため、続柄や身分事項を読み取る際には注意が必要です。
平成改製原戸籍
平成改製原戸籍は、紙で管理されていた戸籍をコンピュータ化する際に閉鎖された、コンピュータ化前の戸籍です。
コンピュータ化された時期は市区町村によって異なるため、同じ時期に作られた戸籍でも、自治体によって平成改製原戸籍となった年月日は異なります。
改製原戸籍の取得方法
改製原戸籍は、本籍地の市区町村へ窓口または郵送で請求できます。
また、広域交付の対象となる改製原戸籍謄本は、本人、配偶者、直系尊属または直系卑属が、本籍地以外の市区町村の窓口から請求できます。
請求書には、必要な戸籍の本籍、筆頭者、対象者との関係、必要通数などを記入し、本人確認書類や請求者との親族関係を確認できる戸籍を提出します。
その際、相続のために亡くなった方の戸籍をさかのぼる場合には、請求書へ「相続手続のため、出生から死亡までの戸籍が必要」などと記載すると、必要な戸籍の範囲を市区町村へ伝えやすくなります。

本籍地の市区町村へ請求する場合
本籍地の市区町村へ請求する場合には、窓口へ出向くほか、請求書、本人確認書類の写し、手数料分の定額小為替、返信用封筒などを送付して、郵送でも取得できます。
代理人へ委任して請求することもできますが、その際には、請求者本人が作成した委任状を提出する必要があります。
なお、戸籍に記載されている本人、その配偶者または直系親族以外の方が、相続手続などを理由に戸籍を請求する場合には、請求理由を具体的に記載し、戸籍を必要とする事情を確認できる資料を提出する必要があります。
広域交付を利用する場合
改製原戸籍謄本は広域交付の対象となるため、本人、その配偶者、直系尊属または直系卑属の戸籍であれば、本籍地以外の市区町村窓口から請求できます。
ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍は広域交付の対象外となるため、本籍地の市区町村へ請求する必要があります。
広域交付を利用する際には、請求できる方が自ら窓口へ出向く必要があり、郵送や代理人による請求はできません。
荒川区で取得する場合の手数料
荒川区で戸籍に関する証明書を取得する場合の手数料は、次のとおりです。
| 証明書の種類 | 手数料 |
|---|---|
| 戸籍謄本・戸籍抄本 | 1通450円 |
| 除籍謄本・除籍抄本 | 1通750円 |
| 改製原戸籍謄本・改製原戸籍抄本 | 1通750円 |
郵送で請求する場合には、証明書の手数料に加えて、定額小為替の発行手数料と往復分の郵送料がかかります。
手数料や郵送請求に必要な書類は自治体によって取扱いが異なる可能性があるため、荒川区以外へ請求する場合には、事前に本籍地の市区町村の案内を確認してください。
改製原戸籍を取得する際の注意点
本籍と筆頭者を確認する
改製原戸籍を請求する際には、その戸籍の本籍と筆頭者を特定する必要があります。
死亡時の戸籍に記載された従前の本籍や改製事項を手がかりに一つ前の戸籍を確認し、転籍している場合には、転籍前の本籍地の市区町村へ請求します。

戸籍のつながりを一通ずつ確認する
改製原戸籍を取得しただけで、出生から死亡までの戸籍がすべてそろうとは限りません。
それぞれの戸籍に記載された編製日、改製日、転籍日などを確認し、前の戸籍が閉鎖された日と次の戸籍が作られた日がつながっているかを確認する必要があります。
間が空いている場合や出生までさかのぼれていない場合には、さらに古い除籍謄本や改製原戸籍を請求しなければなりません。
古い戸籍は文字や記載方法が読み取りにくい
昭和改製原戸籍やそれ以前の戸籍には、手書きの旧字体や崩し字が使われ、現在とは異なる続柄や身分事項が縦書きで記載されています。
記載を読み違えると、前の本籍地や新たな相続人を見落とす可能性があります。
ご自身で戸籍をたどることが難しい場合には、相続手続に必要な戸籍の収集と相続人調査を行政書士香川法務事務所へご依頼ください。
改製原戸籍に関するよくある質問
改製原戸籍はコンビニで取得できますか
改製原戸籍はコンビニ交付の対象ではないため、本籍地の市区町村へ窓口または郵送で請求するか、取得条件を満たす場合には広域交付を利用する必要があります。
亡くなった親の改製原戸籍を子が請求できますか
子は亡くなった親の直系卑属にあたるため、親の改製原戸籍を請求できますが、請求先の市区町村で親子関係を確認できない場合には、請求者自身の戸籍など、親子関係を証明する書類の提出を求められます。
改製原戸籍には有効期限がありますか
改製原戸籍そのものに法律上の有効期限はありませんが、金融機関などの提出先から、発行後3か月以内や6か月以内などの条件を指定される場合があるため、取得前に提出先へ確認しておくと安心です。
改製原戸籍を1通取得すれば相続手続に足りますか
戸籍は婚姻、転籍、改製などによって複数に分かれているため、一つの改製原戸籍だけで出生から死亡までの記録がそろうとは限らず、死亡時の戸籍、除籍謄本、別の改製原戸籍なども必要になるのが一般的です。
荒川区の相続・遺言は【相続・遺言専門】行政書士香川法務事務所へ
相続手続では、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をさかのぼり、現在の戸籍だけでなく、除籍謄本や改製原戸籍を含めて法定相続人を確認しなければなりません。
特に、転籍を繰り返している場合や兄弟姉妹、甥・姪が相続人になる場合には、必要な戸籍の範囲が広がり、古い戸籍の記載を読み取りながら複数の市区町村へ請求する必要があるため、戸籍収集の負担が大きくなります。
行政書士香川法務事務所では、相続手続に必要な戸籍収集や相続人調査をはじめ、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成、預貯金の解約・払戻しなどを一貫して承っており、不動産の相続登記や相続税の申告が必要な場合には、司法書士や税理士と連携して対応いたします。
荒川区で相続手続に必要な戸籍の収集にお悩みの方は、お気軽に【相続・遺言専門】行政書士香川法務事務所へご相談ください。

この記事の執筆者

- 行政書士香川法務事務所 代表
- 行政書士(東京都行政書士会荒川支部理事、荒川区役所区民相談員)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビリヤードプロ










